今回はマストプリベンダーについて紹介します。
IOMの製作では避けられないマストプリベンド用の治具を製作しました。
マストプリベンドについて。
ここではIOMのマストのプリベンドの必要性について紹介します。
IOMでは建造規則でカーボンなどの強度の高いマストが使えません。
なので一般的にはアルミパイプのマストが使われます。
木製のマストの船も見たことがありますが外径に制限があるためと扱いが難しくなるためお勧めしません。
通常は11.1mmのアルミのマストを利用します。
アルミと言っても様々な種類がありますが7075の超ジュラルミンと呼ばれる物を近年は使うようになっているようです。
なので今回のAWANAMI についても7075のアルミパイプを利用します。
しかしいくら7075のアルミパイプを利用してもまっすぐのマストではジブのテンションが足りなくなってしまいます。
なのでハル前方にマストをあらかじめ曲げておきます。
それでその戻ろうとする力とメインセールのラフカーブに合わせた船の後ろ側に対する曲げ、をバックステイでテンションをかけることによってジブのテンションを上げることが出来ます。
そのおかげでジブセールのサギングを抑制出来ます。
風が弱い時はプリベンドが強いとジブの動きが悪くなる場合があるのでプリベンドは弱くします。
風の強い時はサギングをさらに抑制するためプリベンドを強めます。
私の場合はNo.1のリグを2セット用意し微風用のプリベンドの少ないものと通常用のプリベンドの強い物を用意します。
でレース時にどちらを使うか選んで利用するようにしています。
マストプリベンダーの設計
実際にCADで設計して3DPrintして制作しました。
セールをセットした状態でもプリベンドできるように配慮して設計してみました。
そのためリグを船にセットしてバックステイだけ外せば追加してプリベンドできるようになりました。
マストプリベンダーの実物。
1mのアルミ角パイプと棒ねじ、棒ねじに合わせたナットを利用しています。
セットしているマストは1mです。
固定側のブロックです。左右同じものです。
片方はアルミ角パイプに固定できるようCAPボルトで固定しようと思ったのですが特に必要が無かったのでボルトは入れていません。
アルミ角パイプに傷がつかないように当て板が入れてあります。
使用感
MANTA エクストリームのマストを製作するときに利用してみました。
ですががあまりスパンを短くすると曲がり過ぎてしまうのでほどほどのスパンで利用したほうが良さそうです。
まあ程度問題です。
一気に多く曲げるのではなく少しづづ様子を見ながら曲げていくのが良さそうです。
後からそれを修正するのはなかなか面倒な作業となります。
はいやってしまいました。( ´艸`)
まあ想像はしていたんですが怖いもの見たさで( ^ω^)・・・。
一応使えるかなというところまで直せましたがマストに妙なひずみが残りそうで結局新規に作り直しました。
もったいないですが勉強代ということで(´;ω;`)。
記事
R0.0 新規作成 2023.08.13